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2011年3月22日 (火)

献呈の重複

2通りの意味がある。

  1. 一人の人間がブラームスから2つ以上の作品を献呈されている。
  2. 一つの作品が、2人以上の人間に献呈されている。

上記1の例は、たった2例だけだ。ヨアヒムとクララだ。ヨアヒムはピアノソナタ第1番とヴァイオリン協奏曲を献呈されている。クララはピアノソナタ第2番と「シューマンの主題による変奏曲」op9だ。一人で2回以上献呈されているのはこの2人だけだ。

上記2は存在しない。一つの作品が2人以上に献呈されることなんぞ有り得ないとばかりに、皆無である。考えたら当たり前だ。既に誰かに献呈済みの作品を献呈される方は、面白いハズが無いし、先に献呈されている側にとっても不愉快だろう。仮に先に献呈された人物が没した後だとしてもである。クララ・シューマンのロマンスイ短調の重複献呈が不自然だと思うのは私だけだろうか。

さて、上記1にはもうひとつ心温まる例外がある。「子供のための14のドイツ民謡集」WoO31だ。献呈の辞は「ロベルト・シューマンの子供たちへ」となっている。1858年のことだ。ロベルト・シューマンが没した翌々年の夏、避暑地で過ごすシューマン一家を訪ねたブラームスの手土産だ。この献呈の辞を読む限り、このとき存命だったシューマンの遺児7名への献呈とみなさざるを得ない。14の作品がひとまとまりで7名に献呈されていると見るべきだ。

この中には、シューマン夫妻の3女ユーリエが当然含まれる。ブラームスの密かな思いの対象だった彼女は、後に「シューマンの主題による変奏曲」op23を献呈されている。だから厳密に申せばユーリエは、ブラームスから作品を2度献呈されていることになる。彼女との失恋によって生まれたという「アルト・ラプソディ」op53がユーリエに献呈されていないという奥ゆかしさに免じて、上記1の仲間に入れてあげたい気分だ。

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