母代わり
昨日の今日で「母代わり」などといえば、亡き妻に代わって子供らをいつくしんできた私の母のことかと思われかねないが、今日は少し違う。
次女が公立高校の前期試験に失敗した日、本人はそりゃあもう見ていられないくらいの落ち込み方だった。母も私もかける言葉が見つからず、家中が沈んだ雰囲気になった。そこへ帰宅したのが長女だ。既にメールで結果を知っていた長女は、全くいつもと変わらぬ明るさで妹に声をかけた。元々2人は同じ部屋で寝起きして勉強も背中合わせだ。普段から次女はお姉ちゃんに勉強を教わっていた。お姉ちゃんはかなり厳しくて、ズケズケと物を言うのだが、次女は不思議と従順だ。親が言ったら喧嘩になるようなこともお姉ちゃんなら受け入れることが出来るようだ。
夕食を囲んで、意外なことが起きた。長女が次女を優しく慰めている。口調は毅然としているのに内容は優しい。やがて次女が顔を上げて笑った。家中の雰囲気がほんのり明るくなった。この瞬間長女はまさに母親代わりだった。世の中優秀な母親は多い。すべからく母は偉大なのだが、たった2年前に自らが高校受験に挑んだ母親がいるとも思えない。長女はまさに一昨年の受験レースの経験者として妹を慰め諭し、やんわりと不安を取り除いた。前期発表の1週間後に実施される後期試験を前に鮮やかに気持ちを切り替えさせた功績は特筆大書されるべきである。次女は今回の姉の気遣いを背負って生きてゆくだろう。悪くない。
思いがけなく目撃した姉妹の絆を永遠に記憶するために記事にする。ブラームスとは何の関係もないが、これを記事に遺さずして何がブログかというくらいの喜び。
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コメント
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<yoppy様
暖かいメッセージありがとうございます。
ご家族は無事でしょうか?
何かと辛いニュースが多い中、次女の高校オケはかすかな光明です。
投稿: アルトのパパ | 2011年3月20日 (日) 17時45分
いろんな思いが思い起こされて、泣けました。
何かと不便が続きますが、がんばりましょうね!
投稿: yoppy | 2011年3月20日 (日) 16時41分