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2011年4月 2日 (土)

サイクリング

気候の良いシーズンに、景色の良いところを自転車で遠乗りするのは気持ちがいい。

1893年から1896年にかけて毎夏、ハンブルク市立歌劇場指揮者だったグスタフ・マーラーはオーストリア・アッター湖東岸のシュタインバッハの別荘に住んだ。作曲に専念するためだったので作曲小屋と呼ばれている。2番目と3番目の交響曲が生まれたことで名高い。

マーラーがこの地を選んだのは訳がある。ウィーン宮廷歌劇場指揮者に就任するための周到な準備の一環として、ブラームスへの接近を図ったのだ。このシュタインバッハはブラームス晩年の避暑地バート・イシュルに近いのだ。マーラーはしばしば作曲の合間を縫ってブラームスをイシュルに訪ねた。イシュルまで片道25km弱の道のりを自転車で通ったという。

シュタインバッハを出てアッター湖東岸を南下する。約4kmのヴァイシェンバッハでアッター湖畔から離れて東南東に伸びる峠道に入る。ヴァイシェンバッハ川沿いに遡るということだ。ヘレン山脈南麓を進むこと12kmでミッテルバイシェンバッハに到達。ここからはトラウン川に沿って南西に向かい、6kmでブラームスのいるイシュルに着く。あたり一帯はザルツカンマーグートと呼ばれるオーストリア屈指の景勝地だ。往復50km近い道のりも30代半ばのマーラーには、心地よいサイクリングだったに違いない。

マーラーの心地よいサイクリングはブラームスの知遇を得るためだ。ウィーン宮廷指揮者就任の後ろ盾を求めての銀輪行。後にマーラーは「ブラームスの気に入りそうな面だけを見せるよう心がけた」と友人に語っている。百も承知のブラームスは、作曲はともかく指揮者としての才能を認め、協力を約束したという。

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