マーラーの妻
グスタフ・マーラーの妻はアルマという。いわゆる才色兼備で、男性にもてまくった。マーラーはそれが悩みのタネだったとも言われている。1964年に85歳で没したから、つい最近まで生きていたのだ。
アレクサンダー・ツェムリンスキーに師事して作曲を学んだ。ワーグナーに心酔してオペラ志向だったという。数曲の歌曲が現代に伝えられている。並の才能ではなかったらしく、絶対音感の持ち主だったと証言する向きもある。
一方音楽作品の批評眼も持っていた。ラヴェル、ドビュッシー、ストラヴィンスキーがお好みだった反面、古典派以前の音楽には関心がなかったようだ。
さてさてブログ「ブラームスの辞書」的には大問題がひとつある。
アルマは、ブラームス嫌いだということだ。この点で夫と見解が一致しているというのが皮肉である。現在マーラーが発したとして伝えられている言葉のいくつかのソースが、アルマになっているけれど、最近の研究者はどうも眉にツバを塗っているという。マーラー本人のブラームス評として伝えられている言葉も、額面通りに受け取っていいものか心配になる程だが、アルマ自身のブラームスへの低評価だけはどうやら本当らしい。
困ったものだ。
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