コンチェルトのお好み
グスタフ・マーラー書簡集の中に興味深い記事を見つけた。ニューヨーク着任後のある日、大ヴァイオリニスト、クライスラーを招いた演奏会での、演目について知人に意見を求めている。
マーラーは、ベートーヴェン、メンデルスゾーン、ブラームスの中から選べと言っている。表向きの効果を狙った作品ではダメだといって、別に2人の作曲家の実名を上げている。なるほどマーラーは1910年3月10日と11日にブラームスのヴァイオリン協奏曲を演奏している。このときのヴァイオリン独奏がクライスラーだった。昨日の話の前にあったエピソードということになる。
ヴァイオリン協奏曲には「表向きの効果を狙った曲」とそうでない曲があると、指揮者マーラーは認識していたということだ。そうでない曲を演奏したいと考えていたことは確実で、その中にブラームスのヴァイオリン協奏曲があったということだ。
« 独奏クライスラー | トップページ | 次席作曲家 »
« 独奏クライスラー | トップページ | 次席作曲家 »
コメント