得難い評価
2009年8月8日の記事「完璧なドンジョヴァンニ」でブダペストでのマーラー指揮の「ドン・ジョヴァンニ」の公演を聴いたブラームスが、絶賛したと書いた。
ブラームスによるそうした高評価を伝え聞いたマーラーが、友人にそれを報告した手紙が残っている。宛先はブラームスの書物にも頻繁に登場するホイベルガーだ。
マーラーは、ブラームスによる高評価を「目下のところ、もっとも有り難い評価」と表現して、たいそう喜んでいる。
問題の公演は1890年12月16日で、手紙の日付は12月23日になっている。このときマーラーの職場はブダペストだ。翌年1891年にはハンブルク市立歌劇場指揮者に就任する。ウィーンへの進出は、7年後のことである。ウィーンへの就職のアシストという具体的なうまみはまだ脳裏に無かったに違いないが、楽壇の重鎮ブラームスから評価される有り難みだけは、既に感じていたものと思われる。
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