地震雷火事親父
東日本大震災の余韻さめやらぬ中だというのに、最近の子供たちにこれを示しても、何のことだか伝わらない可能性を真剣に考えている。七五調で心地よいリズムなのだが、どうにも伝わらない。「親父」の代わりに「津波」でも入れねば説得力がない。これはひとえに「親父」が怖くなくなったせいだ。困ったものだ。
古くは欧州にも似たような言葉があったらしい。「ペスト・狼・オスマントルコ」だ。キッチリ七七になっていて、日本語としても優秀だ。「地震が多くて建物が木造」の日本とはラインナップが違うようだ。ペストは時折欧州を襲う疫病の代表格。全人口の4分の1が犠牲になることも少なくない。ブラームスのウィーンでの住居に近いカール教会は、17世紀の流行の際、「ペスト退散」を祈願して建てられてものだ。
狼は放牧中の家畜や人を襲うが、神の使いとみなされていることもあって、嫌われる一方でもないようだ。そしてそしてオスマントルコだ。1453年のコンスタンチノープルの陥落以降、欧州人はオスマンの恐怖におののいた。国境を接するハプスブルク家とりわけウィーンは一層切実だったと思われる。
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