コルヴェット艦ハンブルク
コルヴェット艦とは3本の帆柱を持つ軍用艦のことだ。ドイツ語で「Korvette」と綴る。咸臨丸もコルヴェット艦だったと申せば形の想像は容易だろう。ドイツの軍艦には地名や人名が付与される。コルヴェット艦ハンブルクは1841年4月6日にブレーマーハーフェンで進水した。当時プロイセン海軍の軍港はキールかヴィルヘルムスハーフェンだった。ブラームスの故郷ハンブルクは貿易港だから軍艦が寄港することは無かろう。ブラームスが幼い頃見かけたというオチにはちょっと無理がある。
しかし、例によって音楽之友社刊行の「ブラームス回想録集」第1巻72ページに興味深い記述がある。1868年夏、ブラームスは友人のアルベルト・ディートリヒと連れ立ってヴィルヘルムスハーフェンの大軍港を見学したとある。しかもそれはブラームスの希望だったとアルベルト・ディートリヒが明言している。ブラームスは軍艦に興味を持っていた可能性がある。
コルヴェット艦ハンブルクは、1852年には退役して民間に払い下げられた後、1859年まで商船としてデンマークや英国と行き来していた。商船になってしまえば、ハンブルク港に寄港していたどころか、母港にしていた可能性も低くはあるまい。
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