ハンザの語源
ハンザ同盟の定義が曖昧で難解だということは既に書いた。ハンザはドイツ語で「Hanse」と綴られる。古くは「団体」の意味だったらしい。バルト海で活躍したドイツ商人の互助組織という理解でよいなら、原義「団体」でさしたる矛盾はない。ある本に「国外における同胞商人の互助組織」という説明があって納得した。同時に妄想が湧いてきた。
「ハンザ」は「ハンス」ではないのか。
「ハンス」は「Hans」と綴られる。ヨハネに由来する「Johan」の愛称形だ。ドイツの男性の名前としてはもっともポピュラーなもので、転じて「ドイツ人」の意味さえ派生しているほどだ。
ドイツ国外で、ドイツ語の話者どうしが出会う。「お前ドイツ人か。俺もドイツ人だ」となって、たちまち意気投合する。現在でいう「ドイツ」の概念が定着する前なら「よお!ハンスか。オレもハンスだ」となる。つまり「ハンスの寄り合い」がハンザ同盟なのではあるまいか。
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