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2011年7月13日 (水)

お盆のファンタジー6

いつもの年より神妙にブラームスはやってきた。「今年日本は大変な災害があったのだろう」と汗も拭かずに切り出した。どうやらほとんどの事情を知っている口ぶりだ。2万人以上の犠牲者ということに衝撃を受けたという。

同行の紳士がおずおずと口を挟む。ブラームスはあわてて紹介してくれた。その紳士はフリッツ・ジムロックと名乗った。大出版社ジムロックの総帥にしてブラームスの友人だ。ビジネスマンというより大学教授か何かという雰囲気だ。おもむろに懐から封筒を取り出すと、私に握らせる。日本の人たちへの見舞金だという。「ブラームス先生と私からです」とジムロック。おお。そういえば彼はブラームスの銀行口座を管理していた。

ブラームスに向き直って礼を言おうとすると、ブラームスは別の封筒を取り出して私に手渡す。「私が身近の友人に声をかけて集めた分だ」と説明してくれた。封筒とは別に用意したノートには賛同者の自筆サインがある。「シューマン夫妻、ヨアヒム、ドヴォルザーク、メンデルスゾーン、ビューロー、マーラー、カルベック、ハンスリック、ミュールフェルト、イェンナー、マンディチェフスキー、ワーグナー、リスト・・・・・・・」ちっとも身近ではない。ブラームスはあちこちの友人に広く声をかけたに違いない。友人どころかあちら側陣営のワーグナーやリストにも頭を下げてくれたのだ。

「ありがとう」と手を握ると「サッカーの借りは必ず返すからな」とはぐらかすブラームスだった。

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コメント

<ラフP3様

ありがとうございます。
なでしこたちに比べればささやかでございますが、何かのタシになれば幸いです。

 これはいい話ですねえ(´∀`)
賛同者の名前はそうそうたるものですが、ドヴォファンとしてはドヴォルザークの名前があるのを見ると心が暖まります

<てぃんぱにゃー様

ありがとうございます。お盆特集のためにハンブルクネタは一時中断です。
「ハンブルク」はもしかして谷9でしょうか?

<海鳥1960様

ありがとうございます。
震災後、ブログを継続することにしたとき、お盆のネタはこれにきめておりました。

ご無沙汰しております。ハンブルク特集興味深く読ませていただいております。
そういえば先日大阪の「ハンブルク」という飲食店(だと思う)の前を通りました。仕事中じゃなければ立ち寄ったのに!

このシリーズ大好きです。ワグナーやリストの件りは同じくちょっとぐっと来てしまいました

いい話ですね。
不覚にもウルッと来てしまいました。

では私からもクリック1分間分の賽銭を。

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