手間賃仕事
正確な定義は私の手に余る。
音楽之友社刊行の「ブラームス回想録集」第3巻99ページに現われる。どのようなドイツ語がこのように訳されたかは不明だ。
シューマンに認められて世に出る前、ハンブルクでの下積み時代を回想する中に現われる。食って行くためにダンスやマーチを編曲したり、オーケストラ作品をピアノに編曲したりという仕事を「手間賃仕事」とブラームス自身が表現していると読める。
作曲家として名を成した今、自らの芸術を世に問う創作以外の仕事を「手間賃仕事」と言っていると解したい。
昔の仕事の成果が、作者不明という形でブラームス本人の耳に入ってくることもあったのだろう。そうした経験が無駄だったと思ったことなど無いと結ばれる。嫌味のないしみじみとしたニュアンスだ。
ン十年前の手間賃仕事でも、自分の作品だと判るのだと、別の意味で感心した。
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