歌の宝
ドイツ民謡研究の集大成。原題は「Deutscher Liederhost, Auswahl der vorzuglichen deutschen Volkslieder aus der Vorzeit und Gegenwart mit ihren eigenthumlichen Melodien」という。ドイツ民謡学の泰斗ルートヴィッヒ・エルクの金字塔だ。民謡研究の到達点という位置づけである。
刊行は1856年。近代民謡学は、この本を座右にして展開されたという。なるほど現在見かけるドイツ民謡の研究本は、多かれ少なかれ「歌の宝」を引用する。
ロベルト・シューマンの没した年だ。1856年はブラームスにとっても一大転機だったが、近代民謡学の夜明けでもあるということだ。
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