民謡の系譜
ブラームスの手によるドイツ民謡には作品番号が付されていない。自分の創作ではないからだ。現在では作品番号無き作品ということでWoO番号が与えられている。WoO31からWoO38までだ。
- WoO31 子供のための14のドイツ民謡集 独唱とピアノ 1858年出版
- WoO32 28のドイツ民謡集 独唱とピアノ伴奏 1926年出版
- WoO33 49のドイツ民謡集 独唱とピアノ伴奏、混声四部合唱 1894年出版
- WoO34 14のドイツ民謡集 混声四部合唱 1864年出版
- WoO35 12のドイツ民謡集 混声四部合唱 1926年出版
- WoO36 8のドイツ民謡集 女声三部または四部合唱 1938年出版
- WoO37 16のドイツ民謡集 女声三部または四部合唱 1964年出版
- WoO38 20のドイツ民謡集 女声三部または四部合唱 1968年出版
これだけで合計161曲になると思いきや、そうは行かない。かなりの数重複がある。同じ曲が独唱、混声合唱、女声合唱の3通りに編曲されているケースが散見される。
現在では、この8つが当たり前のように眼前に横たわっているが、出版年をよく見て欲しい。ブラームスの生前に出版されたのはWoO31、WoO33、WoO34の3種類だけだ。ハンブルク女声合唱団時代に起源を遡ることが出来るWoO36、37、38は全滅だ。ブラームスの死後メンバーの手で残された楽譜を元に復元出版されたのだ。
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