メンデルの法則
グレゴール・ヨハン・メンデル(1822年生まれオーストリアの植物学者、聖職者)によって発見された遺伝に関する3つの法則の総称。1865年に発表された。現在ではメンデルの法則に合わないケースも多数知られているが、メンデルの功績自体は色あせていない。遺伝学はメンデルの法則に合わないケースを説明するためのおびただしい研究を通して発展したとも言われている。ブラームスやドヴォルザークと生きた時代が重なっている。メンデルがどちらかと面識があればブログ運営的には万々歳だが、そうも行かない。
メンデルが遺伝の実験に用いたのはエンドウ豆だ。以下の7つの形質に注目して、その形質を持つ種の純系を2年かけて育成するところから始めたという。
- 種子の形 丸とシワ
- 種子の色 黄色と緑
- 背丈 高いと低い
- 花の色 白と紫
- さやの形 ふくれとくびれ
- さやの色 黄色と緑
- 着花の位置 葉の付け根と茎の頂上
この形質の選び方が神業だったと指摘する向きは少なくない。エンドウ豆の遺伝子は2n=14だから7つの遺伝子がある。上記7つの形質はそれぞれ別の遺伝子上に存在するのだ。おそらくメンデルはそれを知っていたと言われている。偶然にしては明らかに出来すぎだ。
昨日の記事「旋律の類型化」を思い出して欲しい。民謡の始原的な形を追究するためのツールとしてエルクは、メロディーラインの中のいくつかの特色を用いて複数の民謡間の先後を判定していた。メンデルが神業的に7つの形質を選んだように、エルクも長年の経験から適切な特徴を選んでいたと思われる。
ブラームスでやってみたい。
コメント