歌合戦
日本では大晦日の風物詩にもなっている。歌の良し悪しとともに、歌唱の巧拙も結果を左右する。
先日来言及をしている民謡の話をする。民謡の世界の名人歌手の晴れ舞台は、歌合戦だったと記述されていることが多い。レパートリーの広さを争うのが主眼だったらしい。
「歌合戦」「名人歌手」と来れば嫌でも、ワーグナーの楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」を思い出す。そこでは歌合戦の勝者がエヴァと結婚できるということがストーリー展開の肝になっている。勝者による花嫁獲得はさておきドイツ民謡における「名人歌手」や「歌合戦」の風習を下敷きにしているような気がする。
ドイツ民謡を調べていると、民衆の中の様々な風習が、ワーグナーの楽劇に巧妙に取り入れられていることに気がつく。
ドイツ統一の機運を背景にドイツオペラを発展させたワーグナーが、作品にドイツの伝統を反映させる手段として、ドイツ民謡を用いた可能性を感じる。
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