歌曲の中の茶摘み
昨日の記事「茶摘み」の中で「ソドレミ」で歌い出される民謡は民謡全体の22%に達すると述べた。「ソ」と「ド」の間で小節線を跨ぐとも書いた。本日はそれをブラームスの歌曲と比較する。
ブラームスの作品番号付きの独唱歌曲全204曲のうち茶摘型「ソドレミ」で立ち上がるのは下記の通りだ。
- 「小夜鳥は翼を動かして」op6-6 5,123 変イ長調 「ソ→ド」が5度下降だ。
- 「窓の外で」op14-1 5,123 ト短調
- 「口づけ」op19-1 5,123 変ロ長調
- 「僕のそばを流れ去った河」op32-4 5,123 嬰ハ短調 「ソ→ド」が5度下降だ。
- 「げに敵には弓矢を」op33-2 5,123 ハ短調
- 「領主ファン・フォルケンシュタインの歌」op43-4 「ソ→ド」が5度下降だ。
- 「日曜日」op47-3 512,3 ヘ長調
- 「おお来たれ心地よい夏の午後よ」op58-4 5,123 嬰ヘ長調
- 「不惑にて」op94-1 5,123 ロ短調 「ソ→ド」が5度下降だ。
- 「あそこの牧場に」op97-4 5,123 ニ長調
- 「セレナーデ」op106-1 5,123 ト長調
204曲のうち11曲5.4%だ。明らかに民謡よりも頻度が落ちる。「ソ」と「ド」の間に小節線を跨ぐケースが圧倒的に多いことは民謡と同じだ。特徴的なのは「ソ→ド」が5度下降というケースが4例存在することだ。民謡ではゼロだったから目立つ。歌い出しにおいて旋律線が5度下降することは「非民謡」の証拠になるかもしれない。
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