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2011年9月 7日 (水)

民謡の採譜とは

民謡学の巨星エルクは、おびただしい数の手稿譜を残した。2万数千ページが44巻に分かれて現在に伝えられている。一つ一つの歌には、旋律とテキストの他に、採集地つまり歌われていた地方、歌っていた人の素性が付与されているという。この膨大な資料を基礎に据え、テキストや旋律を独自の方法で分類体系化して、各々の歌の始原の姿を特定してそれらのみを刊行したということだ。

エルクにとってピアノ伴奏は論外だった。ピアノ伴奏がある時点でそれは既に始原の姿ではないと断じた。記載はほぼ旋律とテキストだけだった。ピアノ伴奏はおろか和声付けもされていない。

一方ブラームスもおびただしい民謡の手稿譜を残した。マッコークルにその明細が記載されているが、写真は載っていないので、採譜の詳細は判らない。

そもそも民謡の採譜には自己矛盾の香りが漂っている。民謡は口頭による伝承だ。楽譜の形で伝えられている訳ではない。芸術歌曲の記譜システムへの転写自体が、エルクの嫌う改竄とも映る。採譜の結果を楽譜に落とすとき、調や拍子はどう決定するのか、あるいはテンポの指示はどうするのか。それらは、民謡の口伝において特定されてはいない。採譜ましてや刊行ともなれば楽譜への転写の段階で編集者のセンスに委ねられる部分は少なくない。エルクはその操作が必要最小限であることをいつも求めていた。

実はエルクが最小限であれと欲したその部分にこそブラームスの個性が宿るのだ。調、拍子の決定、テキストの割付、休符の配分、アーティキュレーションの付与は必須だ。さらにブラームスは豊かな和声を施す。ここまではアカペラの合唱曲であっても不可欠だ。さらに独唱用となればピアノ伴奏パートもひねり出さねばならない。

口伝する民謡を採譜刊行するには避けがたい矛盾が横たわる。その矛盾の処理方法こそがブラームスとエルクの見解の相違の源泉だと思われる。

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