Instrumentenquodlibet
ドイツ語はとかく単語の綴りが長くなる。英語ならばスペースを挿入して別単語にしそうな場面でも、かたくなに連結を好む。本日のタイトルもそうだ。「Instrumeten Quodlibet」とするだけで数段スッキリするのだが。
昨日話題にした「Quodlibet」(混成曲)だ。ドイツ民謡を調べていたら思わぬお宝があった。本日のお題はその民謡のタイトルだ。大学オーケストラで小中学校を訪問して演奏を披露することがあった。そのとき楽器紹介をする。これがなかなか受けがよろしくコンサートの呼び物になっていた。本日の民謡は楽器は全く登場しないが、合唱でまさに「楽器紹介」を再現している。4分の3拍子のやや遅めのワルツといった感じだ。
描写される楽器は出現順に以下の通り。
- コントラバス 全員合唱で「それではコントラバスくんが始めると」と歌った後、合唱のバスパートが「plum plum plum」と歌い出す。小節の頭にピチカートを差し込むというイメージだ。
- ヴィオラ やがて全員合唱で「次はヴィオラ君の出番だ」と切り出されるから楽しみにしていたら、コントラバスのブンに続けて「チャッチャッ」とかぶせる役割だった。コントラバスの「plum plum plum」が続く中、2拍目と3拍目に「Schrum Schrum」と差し込む。現実のオケでもワルツやポルカでのヴィオラは後打ちが多いから、やけにリアルで吹いた。
- ファゴット 鷹揚な付点2分音符を「バーバーバー」とやってバスを補強。
- クラリネット 地味な対旋律という位置づけで、ここまでの4つがベースという感じ。
- ヴァイオリン やっと旋律が出る。
- ホルン 全体を覆い尽くす和音の仕上げという感じ。
- フルート 8分音符のきらびやかな装飾だ。文字で書くと大したことはないが、これが事実上のコロラトゥーラだ。ソロならともかく合唱だと難儀だろう。
上記1から順に全員合唱を挟みながらパートが増えて行く。混声7部合唱になる。これを本当に楽器でやったら精巧な「楽器紹介」になると思う。
さらにこの楽器リストを眺める。チェロの脱落に目をつむればブラームスが好きそうなメンバーだと感じる。
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