Wie bitter bist du
9月28日の記事「恐るべしレーガー」で言及したレーガーの合唱曲「O Tod,wie bitter bist du」のCDをこのほど無事入手した。ソプラノ、アルト、テノール、バスがそれぞれ2分されたアカペラの混声八部合唱だ。行きつけのCDショップであっさり見つかった。きっと前からあったのだと思う。こちらのアンテナがそちらに向いていなくて判らなかっただけだ。
この作品は「3つのモテット」op110の中の3つ目だ。この時点で既に脳味噌が酸っぱくなっている。何故ならブラームスにおいてもop110は「3つのモテット」になっている。偶然にしては出来過ぎな気がする。
CDを購入して帰宅する電車の中でテキストを確認した。案の定「4つの厳粛な歌」op121の3番とピタリと一致する。全体がホ短調で最後にホ長調に転じて終わるという調性のプランさえも一致していた。同じディスクに収録された作品が11曲あるが、ブラームスの声楽作品と一致している作品は他に無い。レーガーがこの作品を作曲するにあたりブラームスを念頭置かなかったとしたらそれこそ奇跡だ。ブラームスを意識していたに決まっている。
英語の解説を舐めるように探したが「Brahms」の文字は発見出来なかった。この作品を解説する時にブラームスの「4つの厳粛な歌」を迂回しているということが最大の謎だ。
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