解釈に苦しむ
ミンダスと称して手持ちのドイツ民謡集のCDに収録されている民謡を集計している。バカにしたものでもなくて既に452曲の民謡が集まった。一通り全部聴いた。不思議なことがある。
ブラームスが最晩年に刊行した「49のドイツ民謡集」で取り上げられた民謡の中に、ミンダスに出現しないものがある。たとえば「In stiller Nacht」だ。これはWoO33-42を背負う名作だ。「49のドイツ民謡集」を代表する作品。
ブラームスが刊行した「49のドイツ民謡集」が「おいしい水」とするなら、ドイツ民謡全体は源泉とされるべきだ。ブラームスが取り上げた旋律がどこかに痕跡として存在する方が自然だ。誰かが作曲した「民謡風歌曲」だったとしても、ミンダス452曲に痕跡すら残らないのは、理解に苦しむ。「In stiller Nacht」はツッカルマリオの「ドイツ民謡集」から採られているが、これほどの名旋律を世の中のドイツ民謡のCDが揃って無視というのは解せない。さらに先般ホルホルと購入したドイツ民謡集にも記載が無い。
実はこの作品、民謡にブラームスが和声と伴奏を付与した程度ではなく、既存の聖歌を元に創作したという説が根強くささやかれている。原曲は似ても似つかぬ曲だった。だから一般の民謡集にその痕跡が現れないということかもしれない。
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