二人の王子聴き比べ
2011年11月11日の「1並び」を記念して、慣れないCDコレクションネタを発信する。柄にも無い「聴き比べネタ」だ。交響曲、協奏曲、室内楽やピアノ曲についてやるほどの耳もコレクションも備えていないから、お気に入りのドイツ民謡で真似事をやってみる。題材は「二人の王子」だ。
- エーリヒ・クンツ 小編成のアンサンブルによる伴奏は私としてはマイナス評価だが高名なバリトン歌手だけあって歌唱に破綻は無い。クラシック系の歌手が民謡を歌うとコネ回す感じになることもあるが、この人は淡々と語りかけてくる。
- ドレスデンカンマーコール レーガー編曲。例の民謡集23曲のトリを飾る演奏。いやはや絶妙だ。
- コンツェルトコールダルムシュタット これもお気に入りのアルバムから。実はレーガー編曲。上記2番との比較が面白い。甲乙付けがたい。
- レーゲンスブルクカテドラルコール 他の団体とは少しメロディが違う。微妙な歌い崩しの味わいがある。
- ヴェルニゲローデ少年少女合唱団 ギターのシンプルな伴奏に乗って淡々と歌われるが絶妙。2コーラス目のソプラノ独唱の清らかさ、それに続いて3コーラス目に合唱が復帰するところの味わいが計算ずくとわかっていても感動的。
- キングズシンガーズ これまた素晴らしい編曲。3コーラス目でテノールが1小節おくれでおいかけるカノンの効果が劇的。
- ユリアーネ・バンセ ピアノ伴奏と独唱。特筆すべきは唯一第7コーラスまで歌ってくれていることだ。ギリシャ神話に題材を求めたバラードであることを考えると貴重だ。ブラームスのお友達ユリウス・レントゲンの編曲というシャープなオチがついていた。
- カルムスアンサンブル レーガー編曲。本来合唱用なのだがこれを声楽六重唱で聞かせてくれる。鳥肌モンの色艶。上記2,3の合唱版と比べると、かえって濃い感じがする。
Singer purやSingphonikerが「二人の王子」を収録していないことがつくづく残念だ。
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