ラインの守り
先に紹介した「シャウエンブルク酒宴歌集」に収録されている。原題を「Die Wacht am Rhein」という。
アルザス・ロレーヌ地方は独仏の力関係によってたびたび領有権が移動する地域だった。ライン川を挟んだ国境紛争の舞台だったという訳だ。ここに限らずライン川は自然国境とみなされてきた。これをドイツ側から愛国的に描写したのが「ラインの守り」である。1840年にシェンケンブルガーという人が作詞し、1854年にウィルヘルムという人が曲を付けたという。1914年第一次世界大戦まで爆発的に歌われたという。「愛国」を基調とする学士会活動にピタリとマッチしたと考えられる。
この旋律は実は同志社大学のカレッジソングにもなっている。創立者・新島襄先生にはドイツ留学の経験がある。1884年のことだ。「ラインの守り」が爆発的に歌われていた時期だ。カレッジソングへの採用は新島襄先生が没した後だが、何らかの関与があると感じる。
日本の学生が日頃何気なく歌っている愛唱歌が、実はドイツの学生歌と同じ旋律だったなどという例が、もっとありはしないかと思っている。
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