狐の騎行
「Fuchsritt」の訳語。「騎行」といえば「ワルキューレ」を思い浮かべる人も多かろうが、こちらは学士会用語だ。新入生つまり「Fuchs」(きつね)が馬に乗るということだ。大学入学を志すものは、大学のある街まで馬車でやってくる。わが国の受験テーマとして名高い「Das Fuchslied」の1番の歌詞は「向こうの山から何が来る」という問いかけで始まる。向こうの山から来るのが「狐」だという流れになっている。
Brandungという酒宴がある。準会員として2学期を経過した「Fuchs」たちが召集される。上半身裸になり、背もたれを前にして椅子に跨り、けたたましい音を立てて会場内を行進する。これがすなわち「狐の騎行」だ。このとき全員で唱和する歌こそが「Das Fuchslied」(新入生の歌)である。
この後逆さづりにされたり、顔に墨を塗られたりと、さんざんな目に遭う。そしてこの酒宴により準会員は晴れて正会員になるのだ。
「大学祝典序曲」op80の157小節目「Animato」において、まさにこの「Das Fuchslied」が引用される。
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