Eiche
日本語への転写には苦労が伴う。広葉樹「ブナ・ナラ属の木の総称」だというが「オーク」と訳されたりしているようだ。今でこそドイツの森は針葉樹が優勢だったが、古代においては広葉樹が多かった。ゲルマン人の原郷は広葉樹の森である。
ゲルマン人は「Eiche」を神聖な木と位置付けて心のよりどころにしていた。「Eichen」は地名や人名にもなっている。
学士会の酒宴の代表格ランデスファーターでは、学帽を剣で突き刺す。そのために開いた穴を未婚の女性が刺繍で繕うことになっている。その刺繍は「Eiche」の葉を模した形にすることに決まっている。学士会の書物には、それが愛国心の象徴であると書かれているが、どうやらゲルマン人の素朴な信仰に根ざしているようだ。
日本を代表する木が「さくら」なら、ドイツは「オーク」だということだ。
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