Pater patriae
記事「ランデスファーター」を書いていて引っかかった。ローマの皇帝たちの長い長い正式名称の最後尾にしばしば出現する「Pater patriae」のことだ。「国の父」と解される。「Pater」は「父」で、イタリア語の「Padre」の語源だし、遠くは英語の「Father」やドイツ語の「Vater」にも繋がっている。「patriae」は「国の」だが、英語の「patriot」(愛国者)の語源でもある。
「Pater patriae」の称号はローマの元老院が「もっとも尊敬すべき市民」に授けた呼称で、紀元前69年のキケロに端を発するらしい。歴代のローマ皇帝にはこの名前が贈られるのが恒例になった。
学生たちの儀式としての「ランデスファーター」にこの「Pater patriae」がどの程度反映しているのか研究中だ。
欧州でたびたび出土するコインには、ローマ皇帝の肖像が刻印されているケースも多い。その横に「PP」という文字列が添えられている場合がある。念のためお断りしておくとこれは「ピアニシモ」ではなくて「Pater Patriae」の略だ。
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