鵞鳥売りの少女
ゲッティンゲン市庁舎前の噴水の中央に鵞鳥娘リーゼルの像が立っている。グリム童話に由来するとも言われているが異説もあるようだ。鵞鳥を手に持った可憐な少女の像。今ではゲッティンゲン市のシンボルになっている。奇妙なことにゲッティンゲン大学の新入生は学士会への入会の儀式の中で、この少女の像にキスをする慣わしがあった。台座は噴水池の中央にあるので、なかなかの難易度だろう。
ヨアヒムとともにゲッティンゲン大学で講義を聴講したばかりか、学士会に仮入会して、狐の騎行に興じたブラームスが、この少女の像にキスをしていたののではないかと色めき立ったが、どうやら空振りだ。像の設置が1901年だからブラームスはキス出来ない。
当時、この少女像へのキスの慣行がエスカレートしてしばしば禁止されたという。あまりに挑戦者が多いというので、キス敢行資格者を博士号取得者に制限した。今も博士号取得者の特権になっているという。当時は女子学生はいなかったらしいが、現代はそうも行くまい。女性博士がどうしているのか引き続き情報を収集したい。
この噴水池自体は古くからあるので、池のほとりでアガーテと待ち合わせした可能性くらいはかろうじて残されている。
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