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2012年3月 5日 (月)

後打ち強調

「大学祝典序曲」に引用された学生歌の中で、もっとも有名なのは「新入生の歌」かもしれない。世界的に見れば「ガウデアムス」だと思うが、ここ日本では受験生を中心に知名度が高そうだ。

157小節目「Animato」のファゴットに率いられたユーモラスなフレーズは「Das Fuchslied」の面目躍如だ。この時の伴奏声部に注目する。ヴィオラを始めてやっと1年のひよっこの私だったがここの伴奏にしびれた。軽快な後打ちになっていたのだ。どうもブラームスは、「新入生の歌」に後打ちを絡ませるのが好きらしい。

その後176小節目のスフォルツァンドは2拍子の2拍目を強調している。230小節目からのフォルテシモでは弦楽器が後打ちでふんばり続ける。

ところが、学生歌集で元歌を調べると、ちっとも後打ちが見当たらない。アクセントやスフォルツァンドで補強されていないのだ。CDを聴いても裏拍の強調が無い。弱拍または裏拍の強調は、原曲に由来するものではなく、引用をしたブラームスのセンスだということに他ならない。それはそうだ。酒宴で歌われることを考えると錯綜したリズムでは具合が悪かろう。宴会の手拍子で後打ち入れる奴など見たことがない。

新入生の歌に後打ちを施したブラームスの意図は、大団円の「ガウデアムス」にある。379小節目「マエストーソ」で「ガウデアムス」になだれ込む直前には、オーボエ、クラリネット、ホルン、トランペットが「新入生の歌」を強奏している。これをその他の楽器が「後打ちで」支える構図になっている。そしてまさにその「裏拍強調」が終わると同時に「ガウデアムス」が始まるのだ。この効果は目を見張るばかりである。

「新入生の歌」の後打ちは、「ガウデアムス」の遠い準備のためにあると位置付けたい。

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