現役復帰
主にプロスポーツにおいて、一度引退した選手が、第一線に戻ってくること。
昨日の記事で次女が所属する高校オケの後援会の総会があったと書いた。生徒たちの一区切りはスペシャルコンサートなのだが、後援会の一区切りはスペシャルコンサートの2週間後にやってくる総会だ。その席で役員が交代する。私はそこで今後1年間の役員に名を連ねることになった。
実は総会後、すぐ隣の文化ホールに場所を移して、ささやかな演奏会が開かれた。5月13日に引退式を終え、既に第一線から離れたはずの3年生も一日だけ現役復帰する。
その演奏会の主旨がとてもおしゃれだ。1年間がんばった後援会役員の慰労だ。総会に集まった保護者対象の演奏会。総会は後援会にとって一つの区切り。特にここで退任する役員にとっては集大成ともいえる重要なイベント。子どもたちにとってのスペシャルコンサートにも匹敵する。だから子どもたちからの演奏は大きなプレゼント。
一般の後援会員は文化ホール2階席で聴くのだが、新旧の役員だけは1階、生徒たちと同じフロアで聴くことが出来る。およそ100名のフルオケの前に、イスが12脚おかれて、35代役員と36代役員が着席する。小さなホールだから1階で聴いても2階で聴いても大差なく鑑賞できるのだが、そこはやはり気持ち。形式上見かけ上は生徒たちフルオケがたった12人の役員のために演奏を披露する体裁になる。
曲目は2曲。先日のスペシャルコンサートでアンコールのラストだった「ラデツキー行進曲」と、ニュルンベルクでのアンコール「ふるさと」だ。入団からやっと1ヶ月の1年生も加わった演奏。とりわけ「ふるさと」は特別なシチュエーションともあいまって親たちに対しては必殺の訴求力を持つ。
引退した35代の生徒が一日だけ現役復帰する意味が、やがてあきらかになる。演奏後、このたび任期満了となる35代の後援会役員に、子供本人から贈り物が手渡される。親も子も大照れなのだが、感動的。なんとも粋な現役復帰である。
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