噴水代
バイエルン王ルートヴィヒ2世はフランス嫌いではなかった。庶民感情やビスマルクの剛腕に屈して普仏戦争ではプロイセンについたが、内心はプロイセン嫌いだった。だからという訳でもなかろうが、合計3回フランスを訪問している。フランス人たちも王のプロイセン嫌いを知っていたのだろう。
1874年8月21日から27日までの訪問の際に興味深いエピソードがある。そもそもこの日程が意図的だ。彼の誕生日8月25日が含まれている。そして皮肉なことにバイエルン王のフランス訪問にはビスマルクの許可が必要だったのだ。パリ・ベルサイユ宮殿で誕生日を迎えた彼を祝うため、ベルサイユ宮殿の噴水を特別に上げさせていた。そこいらのチンケは噴水とは違って大掛かりなものだったらしく、その費用が5万フランにも達してパリの世論が紛糾した。「そんなものはビスマルクに払わせろ」という具合だ。
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