直間比率
全税収における直接税と間接税の比率のこと。日本の場合はおよそ7対3で直接税優勢。直接税とりわけ所得税は納税者の経済力に応じた課税が出来るので、直接税の比率が課税の公平性の目安になると考えられている。
19世紀のドイツに話を戻す。普仏戦争勝利で成立したドイツ帝国の税制はシンプル。直接税は連邦を構成する領邦の国庫に入り、間接税は帝国政府の国庫に入る。たとえばブラームスがウィーンに進出する前、所得税はハンブルク市の金庫に入るが、彼がタバコを買えばそれはドイツ帝国の金庫にはいるとでも説明したいところだが、当時は所得税がなかったという資料もあり微妙。法人税はあったらしい。
むかし最大の間接税は関税だったが、例の関税同盟によって関税が廃止されたから、間接税収入は25%減った。だから帝国政府より、地方領邦の方が安定ししていた。帝国はあの手この手で間接税の創設に走るが、さまざまな抵抗にあう。帝国成立後のビスマルクの腐心はこのあたりにあった。帝国議会とはいえ各領邦の代表は間接税の創設や引き上げには抵抗するからだ。帝国財源の不足分は各領邦からの中央交付税で支えられていた。今の地方交付税とは金の流れが逆だ。
直間比率は、現代でこそ課税公平性の指標とされているが、当時のドイツは中央集権度をはかる尺度だった。
税金の話題とはいかにもタイムリーだが、ウィーンに居たブラームスはどういう課税のされ方だったのか調べているのになかなか判明しない。
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