低温と長雨
ブラームスがクラカタウ山の大噴火を知っていたかもしれないと書いた。ブラームスの伝記にその痕跡が残っていやせぬかと真剣に探したが、どうやら有力候補を見つけた。
音楽之友社刊行の「ブラームス回想録集」第3巻88ページ。トゥーンに滞在中のブラームスが、低温と長雨にたたられた退屈しのぎに、ベルンのヴィトマン邸を訪れる機会が増えたとある。この夏の低温を話題にしたヴィトマンとブラームスのいくつかのやり取りが証言されている。
それは1887年の夏。1883年8月に大噴火したクラカタウの影響で、その後1888年まで世界中で異常低温が観測されたという事実と符合する。
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