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2012年10月21日 (日)

公侯伯子男

日本史の中、明治の華族制度のところで習う。貴族に授けられる爵位を偉い順に並べたものだ。欧州貴族の爵位を和訳したもので、意味上の厳密さよりもこの順序が大事である。もちろんドイツにもある。

  1. 公爵 Herzog フランク王国成立以前のゲルマン各部族長に授与されたとか。フランク王国への忠誠と引き換えに王国最高官位を与えられた。ゲルマン平定のツールともいえる。つまり外様か。
  2. 侯爵 Furst 伯爵からの派生形。辺境伯からの変化。
  3. 伯爵 Graf 公爵への牽制のために王から派遣された代官。外様の監視役。
  4. 子爵 Veizgraf 副伯爵からの派生。
  5. 男爵 Baron 自由民からの派生。

<Herzog>「Herzogenaurach」「Herzogenrath」「Herzogenberg」の地名が残る。ブラームスの覚えめでたいリーズルは、ハインリヒ・ヘルツォーゲンベルクに嫁いだ。

<Furst>「Furstenau」「Furstenberg」「Fursteneck」「Furstenbruck」「Furstenstein」「Furstenwalde」「Furstenzell」など多彩な地名に痕跡を残す。

<Graf>「Grafenau」「Grafenberg」「Grafenhausen」「Grafenrheinfeld」「Grafenwiessen」「Grafenwohr」「Grafrath」「Grafhorst」「Grafschaft」などこれも地名が多彩。

<Baron>は何故か地名に残りにくい。

ビスマルクは宰相退任の際に永年の勲功をたたえて公爵を授与された。ビスマルクはユンカーの出身だが、ユンカーは上記で申せば男爵のさらに下。まれに出世することはあってもせいぜい子爵止まりが関の山だったというから、1代限りとは言え公爵に叙せられるのは異例のことだ。

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