ユンカー
「Junker」と綴るドイツ語。一般にはエルベ川以東の大農場所有の小貴族。公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵の序列のさらに下にあたる。語源は「Junchherro」で今風に申せば「Jung Herr」だから「若殿」くらいの意味。侯爵や伯爵の息子たちを指す言葉だった。12世紀の東方殖民に発した土地制度まで遡ることができる。19世紀当時およそ500ha程度の土地を所有し自ら農場を経営した。ドイツの南西部と違って長男が単独相続する。宗教はプロテスタントだ。そこの高位聖職者は国王から任命され、服従を最高の美徳と教える。小さいながらも貴族だから、国王への忠誠熱き人材を次々と輩出する。
とりわけユンカーの次男以下には相続権が無いから、プロイセン軍への人材供給源になった。20世紀になってもドイツ陸軍の将校にはユンカー出身が多かった。
オットー・フォン・ビスマルクもまたユンカーの出身である。ビスマルクは当初ユンカー層の利益代弁者として台頭することになる。
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