ユンカーの起原
一般的な貴族の体系「公侯伯子男」より下に位置する土地所有の貴族がユンカーで、その存在はエルベ川以東に限定される。プロイセン社会の中核を担った。ビスマルクがユンカーの出身であることは特に名高い。
そのユンカーの起原について興味深い仮説に出会った。
聖地エルサレムの奪回を旗印に始まった十字軍のドイツ版ともいうべき東方殖民が11世紀に始まった。非キリスト教圏に対する事実上の侵略という側面がある一方、疫病によって人口が激減したエルベ川以東のスラブ人居住地区への殖民という一面もある。
言葉も通じない初めての土地に、人々を根付かせるには現地の采配役が必要だ。いわゆる殖民ブローカー。現地の地理や気候に明るく、言葉も通じる人々が、西から東への人の流れを捌いた。どんな技能をもった人々をいつまでにどこに何人という細かな仕切り役を担った彼らが、やがて土着してユンカーになったという説。
本来の貴族の体系外という位置づけや、エルベ川以東にのみ存在するという特色を上手に説明できる。
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