譜読み音取り
次女の部屋から漏れてくるピアノ五重奏を練習する音。勝手知った曲だからどこを弾いているのか良くわかる。そこをそういう風にさらうのかと、感心しきりだ。そりゃあもちろんセカンドヴァイオリンのパートだから聴きなれた旋律ではない。セカンドの個人練習だけを聴いていても断片的なイメージしか湧かない。それでもまぎれもないブラームス。娘が弾く渾身のブラームス。次女の部活ネタなのにブログ的にもストライクゾーン。
ダイナミクスは二の次で譜読み音取りの段階なのだが、初めて挑む曲に対して次女が日頃どうアプローチするのかが判る。小一時間黙々と音を取る。音程の不安を一個一個取り除く作業。音程のもやもやが見る見る晴れてゆく。頻繁に現れる「タッカ」のリズムは、他の作品にもありがちなので、この段階からキレが備わっている。ブラームス特有のリズムの引っ掛けにも惑わされない。重音の場所は音を端折ることもなく、とりわけ丁寧に弾きこんでいる。ダイナミクスやアクセント、フォルツアンドは後からでいい。
個人練習のこの段階で今の弾きっぷりだと、期待で胸が膨らむ。他のメンバーと合わせたらさらに立体的になる。セカンド一人で弾いていても判らぬ面白みが合わせることで明らかになるハズだ。口出し無用。次女は弾きながら問題を摘出し、修正しそれを直ちに音にしながらもくもくと個人練習に励む。あと1ヶ月少々この練習を聴ける。
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