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2012年11月 8日 (木)

鴎外のコンサートホール

ブラームスと同時代だというだけで、鴎外ネタが今や大手を振っている。さらにエスカレートする。森鴎外の「独逸日記」に現れる演奏会場を一覧表にする。

<ライプチヒ>

  1. Gewandhaus 直接の言及は無い。1885年3月11日の記事に「ザンクトパウリ唱歌会に行く」という記事がある。ザンクトパウリ唱歌会はライプチヒ大学男声合唱団のことで、同合唱団の練習場所が聖パウロ教会だったことからついた通称。演奏会場はゲヴェントハウスだったから、鴎外が招かれたのもゲンヴァントハウスである可能性が高い。およそ6年前1879年1月1日に同ホールでブラームスのヴァイオリン協奏曲が初演されている。
  2. Bayerisher Bahnhof ライプヒチのバイエルン方面駅。1885年6月10日に記述がある。いわゆる駅コンだ。
  3. Krystallpalast 水晶宮と記される。1885年7月19日および8月19日。
  4. Connservatrium der musik in Leipzig ライプチヒ滞在中の記述に散見される。市楽堂と標記されているからてっきりホールかと思っていたが、これがなんと後のライプチヒ音楽院のことだった。

<ドレスデン>

  1. Gewerbehaus 1885年12月15日ここで演奏会を鑑賞。産業会館くらいの意味。
  2. Mainhold'ssaale 1886年2月15日。マインホルトホール。「マインホルト」は人名だ。

<ミュンヘン>

  1. Colosseum 1886年10月13日。場所不明だが、シロフォンの演奏を聴いて感心しきり。
  2. Odeon 1886年10月26日。ミュンヘン府の楽堂だと書かれているが、換気の実験だとも書いてある。音楽を聴いたかどうかは不明。

<カールスルーエ>

  1. Museumes Gesellschaft 聚珍会館と標記される1887年9月24日の記述。

<ベルリン>

  1. Archtectenhaus 工家堂と表記されて1886年1月31日に現れる。建築会館くらいの意味だと思われる。

かなりの回数音楽を聴きに行っているのだが、残念なことに曲目や作曲者への言及が全く抜けている。ブラームスが無かったとも有ったとも結論できない。演劇を鑑賞した際には、題名、作者、俳優の名前に言及しているのに対して音楽作品への興味が一段落ちていたことと推測される。

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