ゼダン祭
鴎外は「独逸日記」の中で、ドイツの祝日について盛んに言及する。「クリスマス」「復活祭」「謝肉祭」「聖ヨハニスの日」「正月」などなどだ。だからゼダン祭もそうした宗教的な祝祭日なのかと思い込んでいたが、実はとんだ勘違い。
1885年9月1日の記述。ゼダン祭Sedanfestの幹事から手紙で招待された。鴎外はその翌日露営があるという理由で断りを入れている。
このゼダン祭は、宗教とは関係がない。1870年9月1日普仏戦争の天王山だったゼダンの戦いに勝利したことを記念する陸軍の祝日だった。皇帝ナポレオン3世が捕虜になるという完勝で、普仏戦争の行方を決定的にした戦いだ。だからドイツ陸軍はこの日に記念の式典をするということだ。当時鴎外はザクセン軍の演習に参加していた。演習先でも式典が挙行されたと言うこともさることながら、ザクセン王国陸軍でもこれを祝っていることが面白い。
« 維廉第一世 | トップページ | 産業革命とサッカー »
« 維廉第一世 | トップページ | 産業革命とサッカー »
コメント