全日音研
一昨日と昨日の2日間の日程で、次女の通う高校を会場とした研究会があった。全日音研という名の通り、全国から音楽の先生が集まる。公開授業あり、著名人の講演ありの充実の日程の中、昨日全国大会への出場を翌日に控えた娘たちのオケが、歓迎の演奏を披露した。
当然私は聞きに行けなかったのだが、集まった先生からも盛大なる拍手をいただけたと娘が申している。その演奏の途中で実は大ハプニング。セカンドヴァイオリンのトップ奏者である次女のE線が演奏中に切れたのだ。ボロディンの第二交響曲より3、4楽章のうち第3楽章のトレモロのあたりだったと言っている。瞬間頭の中が空っぽになって、動揺したがトップサイドの相棒が、自らの楽器を差し出してくれて我に返ったらしい。後方においてあるスペアの楽器を頼りに順繰りに楽器を回して事なきを得たという。
トップサイドの相棒の冷静な対応がMVP級だ。演奏会本番に弦が切れた経験は私にもない。ドイツでスプリンクラーが暴発したときよりも動揺したらしい。集まった先生方の拍手には、このハプニングに対する冷静な対応への称賛もいくぶんか含まれているだろう。
今日の全国大会を前に不吉だなどと考えてはいけない。むしろ今夕の本番中でなくてよかったととらえるべきだ。オケの他のメンバーは前日のハプニングを皆知っている。だから今度起きても対応できる。オケに降りかかる災厄の全てを次女のE線が背負って切れていったと解するべきだ。次女が前回E線を変えたのは10月14日のコンクール千葉県予選の直前だった。だからまだ1ヶ月も経っていない。あれから仲間と積み重ねた練習の厚みが、一月持たずにE線を断ち切って見せた。このハプニングで仲間との結束は一段と高まったと見たい。
これは吉兆以外の何者でもない。乙女たちよ恐れるな。戦いは今日。
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