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2012年12月22日 (土)

フガート

フーガ然とした外形を持つものの、フーガの厳密な定義からははずれるフレーズ。交響曲や室内楽、もちろんコンチェルトなどの器楽曲の一部分をフーガ風に味付ける部分がある。ブラームス節の特徴の一つだ。

一昨日の記事「紛れ込んだ1小節」で、2小節単位のくくりからはみ出る浮いた1小節の話をした。その小節は75小節目だと書いたとき、それが67小節目から始まるフーガ風の展開の中に現れると指摘したところだ。そのフーガ風の展開のこそがフガートの代表例になっている。

67小節目冒頭から第二主題「タッカタッカタッカタカタカ」のヴィオラの裏でピアノの右手が対旋律で絡み付いているから、二重フーガ風ともいえるが、いきなりセオリーからの逸脱とも映る。次に旋律を引き継ぐのはピアノの右手で、対旋律がヴィオラに。このときのピアノの旋律は4度上だから、今度は完全にフーガの厳密なルールからは逸脱する。けれども聴き手は間違いなくフーガを想起する。同時にピアノの左手は第3の旋律を立ち上げる。問題の浮いた1小節は2度目の主題提示のあとに置かれている。ピアノは4つの弦楽器とともに右手と左手が独立した声として動くから合計して6声なのだが、ヴィオラやセカンドの出番が薄いからやっぱり伝統の4声かもしれない。92小節から2つのヴァイオリンが追い立てるようなフレーズで煽るのもまたストレッタ風で、フーガの盛り上げ方の手法だ。ちょうど100小節目で全楽器がフォルテシモに到達して今回のフガートがお開きになる。そしてその5小節後にセカンドに見せ場が来る。(頼むね)

フーガの厳密な定義なんぞそらんじている必要は無い。それでもここがフーガ風だと判る。演奏者もそれが判っていた方がいい。特にピアノは両手が独立した声部として動くポリフォニーの一部になりきる必要がある。なに平気だ。ドイツでのオルガン演奏にバッハを選んだピアニストには心配は要らない。むしろ見せ場。

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