ブライヒレーダー
ゲルゾーン・フォン・ブライヒレーダー(1822-1893)は、ユダヤ系の銀行家。父から受けついだベルリンの銀行を発展させ、プロイセンやドイツ帝国の金庫番となった。資金の調達という面では、大蔵大臣以上の影響力を持つに至った。
ブラームスの財産管理人がジムロックだった話は何度も出てきた。彼ブライヒレーダーは、ビスマルクの個人的財政顧問であった。ビスマルクは勲功を重ねるにつれて膨大な土地資産を下賜されたから、その管理運用を委託する必要に迫られて選任したのがブライヒレーダーだった。
ドイツ帝国成立にとって天下分け目の普墺戦争や普仏戦争で、戦時国債を引き受けて戦費を調達したのもブライヒレーダー。世間の下馬評とは別に銀行家特有の情報と分析により、どちらの戦争でもプロイセンの勝ちと判断したからこそ、国債を引き受けたのだ。
帝国成立後の1872年3月に貴族に列せられたのは、論功行賞に決まっている。
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