正月返上
スポーツ界において、正月返上は珍しいことではない。サッカーの天皇杯は元日恒例だし、駅伝も正月には欠かせない。むしろ正月にその舞台に昇れることがステイタスにさえなっている。
次女たちオケフェスの翌日からピアノ五重奏の練習が始まった。年末29日は一日中、30日は午前中、弦楽器の4人だけがメンバー自宅マンションのコミュニティルームで練習した。大晦日は11時から近所のスタジオを借りてピアニストを加えて練習。昼食休憩を挟んで2時間みっちりと磨きをかけた。練習最後の通しを聞かせてもらった。骨太な暗譜演奏。骨太感の原因はおそらく肝っ玉の据わったヴィオラに違いあるまい。練習番号Bから始まるフーガをサクッと率いる音色がヴィオラならでは。さらにさらに特筆すべきはその日合流したピアニスト。彼女の掌中で、弦楽器奏者4人が存分にはじけた感じ。ピアノが加わって輪郭がキリリとしたおかげで、交通整理に忙殺されていた第一ヴァイオリンの解放感が半端ない。加えてチェロのごっついテンポ感が頼もしい。セカンドの次女はメンバーに恵まれた幸福を心から味わったハズだ。
無理やり課題なんぞ挙げては野暮だが一応。「インテンポで歌うこと」「練習番号Bからのフーガの交通整理」「トリオどないするねん」「ピアニシモ決め」くらいか。けれども課題の克服になんか汲々としないで、パーッと羽ばたいて欲しい。5人でならきっと翔べる。
初練習は一昨日元日の午後1時から。これもまたフルメンバーで2時間。練習を録音し検討と修正を重ねた。
昨日2日はオフだが家で個人練習。今日3日11時からまた全メンバーでホールを借りて練習する。明日4日には学校が使えるようになって初登校。講師の先生に練習を見てもらう。実はこの日講師に見てもらうための準備を今延々と重ねている。譜読み、暗譜をそこそここなした状態で自分らの演奏を講師に問うことが大切。「ダメ出し上等」と覚悟を決め、まずは自分らの描くブラームスをぶつけてみる。そしてそこから1週間でゴシゴシとさらに連帯とテンションを高めて行く。
本番は1月12日。
正月早々極上の幸福感。
コメント