落羽城
1887年4月15日の「独逸日記」に友人との別れの漢詩が現れる。その中に「落羽城」という表現がある。何とこれはベルリンのことだ。そのすぐ後に自注が振られ、「ベルリンの語源はperlin(抜け落ちた羽)」だと言っている。だから落羽城がベルリンを意味すると自ら説明している。
ベルリンの語源については諸説あって、スラブ語で「沼地」の意味とか、「熊のいるところ」の意味とかさまざまな説明がなされているが、「落ちた羽」は初耳だった。
同時にミュンヘンの起原にも触れ、こちらはラテン語の「僧」(Monacus)だと言っている。「僧」起原説は現代の定説に一致するから、「落ちた羽」説にもそれなりの論拠があると思われる。
今月19日は森鴎外の誕生日だから、それに先立ってドイツの地名に関係する森鴎外ネタをいくつか発信することにした。
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