地名語尾「塩」
昨日の記事「無塩」で鴎外にからんで「塩」と「地名」の接点をクローズアップした。実は昨日の記事は大きな転換点。今日からしばらく「塩」に言及する。
ドイツ語で「塩」は「Salz」という。これを語尾に従える地名がある。シューマンの故郷ツヴィッカウに近い「Neuensalz」だ。ライン沿岸のコブレンツの近くには、そのものズバリの「Salz」という地名がある。一方その変形「salza」もドレスデン東方に「Neuensalza」として実在する。
南部に行くと「sulz」に変化する。地名語尾「sulz」「sulza」「sulze」は、その通り律儀に南部に現われる。時折「u」がウムラウトすることもある。
さてさて、さらに事態を面白くしてくれるのが「Hall」だ。中世に使われていた古高ドイツ語では、「塩」のことを「Hall」と言う。ヘンデルの生地として名高い「Halle」は、北部ドイツでは貴重な古くからの製塩地である。地名語尾「halle」または「hall」は、ドイツ南部やオーストリアに分布する。「salz」が組み込まれた地名よりも命名のタイミングが古いと推定出来る。
そう言えば昨日1月27日はモーツアルトの誕生日。生まれたのは「Salzburg」だ。
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