Luneburgerheide
リューネブルガーハイデと読む。最初の「u」はウムラウトだ。豚くんのお手柄で塩水泉が見つかったと書いた。それがリューネブルクの街に製塩業を起こすきっかけとなった。ある猟師がブタを追い詰めると、ブタにも自分の衣服にも白い粉が付着したのを不思議に思った猟師が、ブタを追いかけたコースを探してみたら塩水泉が見つかったということらしい。
当時、このあたりは広大な広葉樹林が広がっていたという。広葉樹林でのブタの放牧は、牧畜の根幹を形成したいたらしい。木の実を食べるブタは、森林の維持にはうってつけの家畜なのだ。若い木の芽を食べる羊やヤギはむしろ害獣で、牛や馬はその中間と位置付けられている。塩水泉発見のエピソードは、広葉樹林における牧畜の実態と矛盾しない。ミズナラの木の実で育ったブタはとりわけ味がよくハムに向いていたという。
問題が無い訳ではない。豚くんのお手柄で始まった製塩業は、塩水を煮詰める過程で膨大な量の薪を必要とする。リューネブルク近郊の森はこれによって伐採され、再生不能に陥った。その結果この地区は見渡す限りの原野となった。本日のお題「リューネブルガーハイデ」は、そうした光景を称する言葉である。
地名語尾「heide」は、「荒野」「原野」と解されることが多いが、地名の解釈においては、過去における森の存在を強く示唆する言葉でもある。
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