4分水嶺
地名語尾「grun」を探していてシャープな発見をした。
ワグネリアンの聖地バイロイトの北東約25kmに「Bischofsgrun」という地名があった。「ビショップの緑野」とでも解するのだと思う。きれいな地名で気に入ったなどとうっとりと周囲の地名を眺めていて驚いた。記事「赤マイン白マイン」で言及した白マインの水源「Weissmainquelle」が、すぐ南隣にあった。
周囲を探すと、その「Weissmainquelle」の2km南に「Fichtelnaabquelle」があった。一方「Bischofsgrun」の北東約4kmの位置に「Egerquelle」があった。このあたり一帯は「Fichtelgebirge自然公園」になっている。道路地図の索引用メッシュは一辺7kmの正方形だ。138ページD-4という1辺7kmの正方形の中に地名語尾「quelle」が3箇所も存在する。
- Weissmainquelle 西に流れ出しやがて「赤マイン」と合流。バンベルク、フランクフルトを経てマインツでライン川に合流する。
- Egerquelle 東に流れ出し、すぐにチェコ領に入る。ブラームスが鉱泉治療に訪れたカルルスバートを貫いて、プラハの北でエルベ川に合流する。
- Ficitelnaabquelle すぐに南に流れ出し、レーゲンスブルクでドナウ川に合流する。
このあたり一帯の丘陵は、世にも珍しい3分岐の分水嶺になっている。しかもたどり着く先はライン、ドナウ、エルベというドイツを取り巻く基幹河川だ。
そしてさらにお得なおまけ。上記2番のほぼ真北約4kmの位置に「Saaleqelle」がある。もちろんザーレ川の水源だ。138ページのD-4の一つ北側のメッシュにある。ここからほぼ常に北流を続けてマグデブルクの南でエルベ川に合流する。上記2番と同じエルベ川水系だ。
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