白い川
グスタフ・マーラーがイシュル滞在中のブラームスに面会するために片道30kmの道のりを自転車で通ったことは既に話題にした。地図の上でその道のりをたどる記事だ。その中で、マーラーはWeissenbachという川に沿って走ったはずだと推定した。「白い川」だ。そのときは何も感じなかったが、最近妙に塩漬けにされた脳味噌で読み返してみると実に興味深い。同じ地名はザルツブルクの南にもある。あたり一帯はザルツカンマーグートと呼ばれる地域。大景勝地にして大製塩地帯である。
これがドイツ領内では「Weissbach」となって5箇所に分布する。このうちニュルンベルクの北西にある「Weissbach」は、製塩地として有名だ。
白く見えるのは塩の析出ではあるまいか。塩源の探査に熱心な支配者にとってこれは有力な目印だ。白い色の原因が石膏だったにしても同じことだ。岩塩層の上部に石膏が存在するのは地質学のお約束らしい。白い川の上流には塩源が存在する可能性が高い。
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