サラダは塩に限る
1896年2月20日、ミラー・ツ・アイヒホルツ邸に招かれたブラームスに供された食事のメニューが残っている。その中に「伊勢海老のサラダ」があった。
健康志向全盛の昨今、サラダの語感は大変好ましいものになっているが、「伊勢海老のサラダ」となるとかなりグルメな感じがする。おそらく生野菜が添えられていたのだろうとは思うが想像の域を出ない。「サラダ」という言葉には思わずそう想像させるほどの魔力がある。生野菜の摂取方法の横綱格である。「サラダを食べる」は「生野菜を食べる」と同義に近いのではないか。欧州各国の言葉で「サラダ」を何と言うのか調べてみた。
- ドイツ語 Salat
- 英語 Salad
- フランス語 Salade
- イタリア語 Insalata
- スペイン語 Ensalada
- オランダ語 Sla
- デンマーク語 Salat
- スウェーデン語 Sallad
- ノルウエイ語 Salat
- アイスランド語 Salat
見ての通りオランダ語以外全て「Sal」というパーツを持っている。これが何とラテン語の「塩」(Sal)に由来するらしい。肉食主体の人々にとって、生野菜を意図的に摂取することは大切なことだと思う。生野菜はそのままより塩で軽く味をつけたほうが食べやすい。しかしサラダの語源を見るにつけ、むしろ塩を意図的に摂取するための手段が野菜だったのではないかとも思えてくる。読むだけで血圧があがりそうな記事がこのところ続く。
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