スイスのヘソ
記事「ドイツのヘソ」で、3つの大河の水源地が密集する地域について話題にした。スイスにも同様な地区がある。ほぼ10km四方に水源4つが収まったドイツのヘソに対して、こちらスイスのヘソは東西40km南北20kmの横長の長方形の中におさまる程度だ。有り難味は落ちるがついでに言及する。
アルプス越えのルートに「サン・ゴタール越え」がある。ドイツ語では「Sankt Gotthard Pass」という。ブラームスがイタリアに旅行する際、しばしばこのルートをたどったことがある。本日はこの峠を目印に話を進める。
- ライン川の源流がサンゴタール峠の北東10kmの位置にある。オベルアルプ峠という別の峠の東麓だ。ここからしばらく東に流れてから北に向きを変えてボーデン湖に入る。
- サンゴタール峠の南をかすめて西から東に流れるのがティチーノ川だ。源流はサンゴタール峠の西南西30km付近。このティチーノ川は南に流れて、マジョーレ湖を経てポー川に合流しアドリア海に注ぐ。
- サンゴタール峠の真西25kmに発するのがローヌ川だ。アイガーやユングフラウなどアルプスの名峰の南を流れてレマン湖に入る。ジュネーヴから再び流れ出てフランスに入りリヨンを目指す。そこで北からの諸流と合わさって真南に流れ、やがて地中海に至る。
- サンゴタール峠の真西40km。オーベルアアレ湖から流れ出すのがアアレ川だ。ユングフラウを東に迂回しながら北流し、ブラームスの覚えめでたいトゥーン湖を経て、ベルンを抜け、バーゼルの東35kmでライン川に合流する。
1と4がライン水系で北海に注ぎ、2と3は地中海だ。スイスのヘソ。
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