ドイツ人教皇
昨日、今月末をもって退任を発表した現ローマ教皇ベネディクトス16世は、ドイツ・バイエルンの出身だ。ベートーヴェンやモーツアルトに親しむほか、バイエルンミュンヘンのサポーターでもあるらしい。驚くなかれ、彼はおよそ950年ぶりのドイツ人教皇だったという。退任の報に接してメルケル首相が早々に声明を出すだけのことはあるのだ。以下にドイツ出身の教皇を列挙する。
- ヨハネス12世 955年
- グレゴリウス5世 996年
- クレメンス2世 1046年
- ダマスス2世 1048年
- レオ9世 1049年
- ヴィクトール2世 1055年
- ステファヌス10世 1057年
- ニコラウス2世 1058年
- ベネディクト16世 2005年
以上9名。同じ名前の重複が無いのははたして偶然か。そもそも「ドイツ人」の概念が遡れば遡るほど曖昧だ。これらの教皇たちの出身地が、現在の地図に照らしてドイツだというくらいのオチも十分あり得る。就任後の名前はみなローマ風になるから、ドイツ人の名前としては浮いている。
最初のドイツ人教皇がヨハネスだったというシャープなオチだと喜んでいる場合ではなかった。実は530年に就任したボニファティウス2世が怪しい。彼はローマ生まれのゲルマン人ということになっている。ゲルマン人というのが現代のドイツ人とは違う概念だとは承知の上なのだが、なんだかこれを最初のドイツ人教皇に認定したいくらいである。
地名には何の関係もないがつい。
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