シフスブリュッケ
ロベルト・シューマンがライン川に投身したのが1854年2月27日だった。今からちょうど159年前。投身の場所を詳しく調べると「旧シフスブリュッケ」にたどり着く。音楽之友社刊行の「作曲家◎人と作品シリーズ シューマン」の140ページにこの橋の絵が掲載されている。1848年当時のデュッセルドルフ市街をライン対岸から眺める構図。1897年に撤去されてしまったが、現存する5箇所の教会の塔が描かれているから、それらの現在の地図上での位置からシフスブリュッケのおおよその位置が類推できる。小舟を並べて板を渡す感じ。幅は狭く馬車の通行は無理で、ほぼ歩行者専用に見える。
この橋は当時有料だったらしい。あの日発作的に家を飛び出したシューマンは、財布をもっておらず、橋守りにはハンカチを渡したという。橋のたもとで既に様子がおかしかったために、漁師が早くに異変に気づいて船を出す段取りをしたために、すぐに助けることが出来たとされている。
「シフスブリュッケ」はドイツ語で「Schiffsbrucke」(uはウムラウト)とつづられる。「Schiff」は「船」で、「brucke」は「橋」だから合わせて「船橋」となる。そこに描かれる橋の形状はまさに「船橋」だ。あくまでも仮設の橋で、珍しい形状だから地名として残ることもある。千葉県では人口60万人を数える中堅都市の名前にもなっている。
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